ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を 有効成分とする薬を筋肉内に注射し、痙縮(手足のつっぱり)の改善を図る治療法です。ボツリヌストキシンを 筋肉内へ注射すると、筋肉の緊張をやわらげ、痙縮を改善することができます。
ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
ボツリヌス療法の効果は、注射後2~3日目からゆっくりあらわれます。通常3~4か月間持続します。その後、数週間で効果は 徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。ただし、効果の持続期間には個人 差があるので、医師と症状を相談しながら治療計画を立てていきます。
1.診察
ボツリヌス療法を受けられるかどうか診察によって判断します。
2.治療目的設定
「何に困っているのか」「何をできるようになりたいか」といった点についてボツリヌス療法を実施するか医師と相談し、治療の計画を立てます
3.初回治療
突っ張りのある筋肉に薬を注射します。
4.受診(1~2回)
治療後の症状についてボツリヌス療法を実施した医師と相談しながら、次回治療の必要性を決定します
5.2回目の治療
経過観察を経て効果が弱まってきたら、2回目の治療を行います。以降は経過観察と治療を繰り返します。
ボツリヌス療法によって、次のような効果が期待できます。
ボツリヌス療法を受けた後に、副作用として以下のような症状があらわれることがまれにあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合には、医師に相談してください。